馬刺しとは
■馬肉が食べられるようになった経緯
馬刺しといえば熊本が本場ですが、馬刺しが熊本で根付いたのには加藤清正が大きく関わっています。加藤清正は肥後熊本藩初代藩主として「文禄・慶長の役」という朝鮮出兵の戦際に戦地で食糧が底をつき、やむを得ず軍馬を食したことから熊本に帰ってきたあとも馬肉を好んで食べたことで熊本に馬肉を食文化が根付きました。
■馬肉をさくら肉と呼ぶ理由
馬肉は別名「さくら肉」と呼ばれています。 その美しい名の由来には諸説ありますが、代表的なものとしては江戸時代には獣肉を食べることが禁じられており、それでも獣肉を食べるために隠語として「さくら肉」と呼ぶようになったという説もあります。参考として猪肉のことは「牡丹(ぼたん)」鹿肉のことを「紅葉(もみじ)」という呼び方があります。 このことからも当時は獣肉のことを花に例えるという文化があったことがわかります。
馬肉の栄養素
![馬刺し](https://ritafoods.jp/upload/save_image/site-arange/jyouakami.jpg)
馬肉には豊富な栄養素が含まれており、 主な栄養素としてはナイアシン、鉄分、セレン、亜鉛、ビタミンB12、 パントテン酸などが含まれています。
カロリーは100gあたり約110kcalで糖質は0.3グラム程度、食物繊維は0.1グラム、 タンパク質は20.1グラムが含まれています。
馬肉は他の食肉と比べても栄養素が非常に高く、特に鉄分が豊富だと言えます。 多くの方が食べられる牛肉のモモと比べると牛肉モモは鉄分が100gあたり、2.7mgであるのに対して馬肉は4.3mgと1.6gもの違いがあります。
また鶏むね肉には鉄分が0.2g、豚肉肩ロースには1.2g程度なのも考えると馬肉にどれだけ多くの鉄分が含まれているのかがわかります。 そしてお肉といえばタンパク質が非常に注目される食材ですが、そのタンパク質も馬肉は豊富に含んでおり牛肉(和牛リブロース)が100gあたり
16.8gであるのに対して馬肉は20.1g含んでおり、豚肉(肩ロース)と比べても100gあたり3.7gも馬肉のほうが多くのたんぱく質を含んでおります。 このように馬肉は栄養豊富であるだけではなく、
カロリーも低いため近年の健康意識の高まりにより老若男女問わず人気の高い食材となっております。
お肉の種類 | 鉄分 | タンパク質 |
---|---|---|
馬肉 | 4.3mg | 20.1g |
牛肉のモモ | 2.7mg | 16.8g |
鶏むね肉 | 0.2g | 21.3g |
豚肉肩ロース | 1.2g | 16.4g |
馬刺しの種類
![馬刺し](https://ritafoods.jp/upload/save_image/site-arange/puremiamu.jpg)
馬には多くの種類があり食肉用の馬刺しとして使われる馬は重種馬と軽種馬です。
利他フーズでは脂のノリがいい重種馬を使用しております。
重種馬は一頭当たり約1トンにもなる巨体もいるほど大きな体躯を誇る種類の馬です。 一般的に多くの方が想像する馬というのは競走馬などのサラブレッドだと思いますが、あのような馬は軽種馬という種類の馬で 福島県会津などでよく食べられている馬は、そういった軽種馬がほとんどです。
重種馬は馬刺しになったときにサシ(脂の白い線)が多く入っているのが特徴的で、なめらかな舌触りとぷりぷりとした食感が魅力です。
反対に軽種馬はあっさりとした味わいです。 好みにもよりますが、馬肉として満足度が高いのはやはり脂がしっかりとのっている重種馬の馬刺しが人気です。
馬刺しの本場熊本では、ほぼすべてが重種馬を使用しており、「馬刺しといえば熊本」と言われるほど熊本の馬刺しは大きな人気を誇ります。
馬を育てるときの飼料
飼料として使われているものとしては、大きく乾燥牧草と穀物に分けられます。 具体的には下記のものをよく飼料として与えています。- ・大豆
- ・麦の殻
- ・ビール粕
- ・オオツヘイ
- ・バミューダストロー
- ・トウモロコシ
これらの飼料を独自のブレンドで与え、馬の体重をコントロールしています。 飼料を与えるタイミングは朝と夕方の二回に分けております。
これは馬という生物は胃が非常に小さいため、消化機能が弱く一度に大量に与えすぎると消化不良を起こしてしまうためです。 消化不良を起こすと、馬の体内で糞便が詰まったり、ガス溜まりが起きやすくなります。 これらの体調不良は馬にとって大きなストレスになるため、食欲減退の原因になり、馬の体が痩せてしまう原因になります。
こういったことを避けるために食事を二回に分けて与えています。 また、馬一頭一頭で適正食事量も違ってくるため、牧草を与える際には、千切って与える等の工夫もしております。 これにより、馬一頭一頭に最適な食事量を与えることが出来ます。
また馬がストレスを感じないように牧場の屋根は約6メートル程度高くしており、一つの厩舎(きゅうしゃ)に最大2頭までしかいれず、 馬に極力ストレスを与えないようにしております。
馬がストレスを感じず過ごせるように、これらの工夫を凝らしながら一頭一頭大切に肥育しております。